発売直後から少し話題になっていた成田悠輔さんの『22世紀の資本主義』。
なんとなく気になって手に取りました。
経済の話というより、これからの社会や生き方について考えさせられる内容でした。
「ものは枯渇するが、事は枯渇しない」の意味を考える

本当に価値があるのは「気持ち」や「体験」
一番印象に残ったのは、
ものは枯渇するが、事は枯渇しない
という言葉です。
便利で安い商品やサービスが溢れている今の時代。
でも、本当に覚えているのは「何を買ったか」より「そのときにどう感じたか」なんじゃないかなと気づきました。
私自身モノそのものより、誰かと過ごした時間や、心が動いた瞬間の方が印象に残っている気がします。
この本を読んで、「これからの資本主義は、そういう“気持ち”や“体験”の価値を扱う時代になるのかもしれない」と感じました。
ベーシックインカムより大切な「価値観の転換」

経済観や人生観を変えるという提案
本書の中では、資本主義に関する話もいくつかありました。
真に必要なのは、ベーシックインカムやお金ではない。再分配を内蔵した柔軟な市場経済でもない。稼げない人間、働けない人間、値段の低い人間でも、何の引け目も感じずに生きられるような経済観と人生観への転換なのだ。
と書かれていました。
資本主義そのものは悪いものだとは思っていません。日本で暮らせている今も、そのおかげで生活が成り立っている面もあると思います。
バランスの崩れを感じた場面
でも、読んでいるうちに「もしかして、権力を持つ人たちの影響でバランスが崩れているのかな」と、ふと思いました。
すぐに答えが出るような話ではないけれど、「経済観や人生観そのものを変えていく必要がある」という成田さんの言葉は心に引っかかりました。
アートークンとは何か?|行動が価値になる仕組み

お金とは違う価値の証明
読んでいて不思議だったのが「アートークン」という仕組みの話です。アートークンとは、お金の代わりに、行動そのものが価値を持つ仕組みだと理解しました。
お金の代わりに、「誰が、何をしたか」という行動そのものが記録され、それがやり取りされるという仕組み。
最初は「え、そんなの成り立つの?」と思いました。
考えてみれば、今のお金だって「誰かが何かをして、その対価として受け取ったもの」ですよね。
しかも、お金自体に価値があるわけじゃなくて、みんなが「価値がある」と信じて使っているだけ。そう思うと、行動や経験を記録するアートークンが、未来にお金と似たような役割を持つ可能性もゼロじゃないのかも、と思いました。
読み終えて感じた「未来の資本主義」

最初は「そんな世界、ほんとに来るのかな」と疑ったりもしました。でも、成田さんみたいな経済学者の発想は、私にはすぐに理解できないもの、とも思いました。
よく考えると、私がすぐ理解できるような未来なら、とっくに誰かが実現しているはず。そう思ったら、成田さんの話も簡単に「ありえない」とは言えない気がしてきました。
すべてを理解できたわけではないけれど、読んだあとに少し考え方が変わった気がします。なんとなく、すでに少しずつ、そういう世界が始まっているのかもしれません。
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