2016
サニー・パワール
二コール・キッドマン
ルーニー・マーラー
本編の半分ぐらいが主人公の幼少期です。
幼少期のストーリーは観ていて悲しい切ない苦しいですが、眠いです。
幼少期を演じたサニー・パワールはどんな表情をしていてもとにかく可愛らしいんです。
こんな可愛らしい小さい子が必死で家族のために働くこと、路頭に迷った子は人身売買のために連れ去られていきます。どちらも全く違うシーンですが、共通して感じたのはどちらも心苦しくなったことです。これが現実だと思うと本当に辛いです。
主人公サルーはオーストラリアの白人夫婦の元に養子に行くことになりなんとかこの状況から抜け出し、何不自由なく大人になっていきます。
生き別れになった家族のことが気にかかるのは、幼少期とは正反対の生活をしていても、生みの母との暮らしを忘れることはできません。
大人になって昔のことを思い出すと、インドでの苦しい状況を共に乗り越えて来た家族との暮らしは、それはそれで幸せだったのかもしれません。
大人になりできなかったこともできるようになりました。幼少期のことを思うと家族に会いたい気持ちが大きくなり探し出すことを決意するのは当然だと思います。
特定の場所や人を探す手段もたくさん増えました。Googleアースと記憶を使い自分の生まれた地を絞り込むのはそう難しくありません。現代ならではですね。
想像どおり母との再会シーンはこの映画の一番の感動シーンでもあります。
生きていればそれでいい
目の見えない母親がサルーと再開するシーンは、静かに25年という長い空白の時間を埋めるように、じっくりと再開の喜びを味わっているように見えました。
大きな声を出して泣きじゃくって感情を爆発させるよりも、声にならないほど大きな喜びを感じていたのかもしれません。
子供に対しての思いはどの国のどんな状況であっても、親ならば共通しているのでしょう。シンプルな言葉ですが、親が言う「生きていればそれでいい」という言葉にとても重みを感じました。
育ての親の「苦しい状況にある子供たちを助けたい」という思いも、とても純粋に聞こえて感動しました。
ストーリーの最後で誰もが気になるタイトルの「ライオン」とは何かがわかります。そしてこの映画が伝えたかったことはここからです。
これは卑怯なぐらい感動したので、劇場内が明るくなるまで席を立たないことをお勧めします。エンドロール終了まで余韻に浸ってください。
人を助けたいとか誰かの力になりたいと純粋に思え、そのためには何をするべきか考えさせられる。そんな良い映画でした。
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